梨の新品種紹介 (黒星病抵抗性梨) 登録品種
(田中茂 独自開発)

りすい
里水  (あきづき×黄花梨)
 果実:果実は円形で果皮は赤褐色である。果実の大きさは360gくらい。果汁多く、甘味は13.6%と高く、酸味はPH4.9と食味にすぐれている。裂果は無くすぐれている。みつ症も見られない。
 樹勢:樹勢は強く、樹姿は直立性。花芽の着生は多く短果枝の維持は容易で、やや自家和合性を有する。黒星病、黒斑病に圃場抵抗性あり。(調査済み)
 収穫期:育成地において、8月中旬から下旬である。
あきひめ  (あきづき×黄花梨)
 果実:果実は円形で、果皮の色は赤褐色である。果実の大きさは450gくらいで、果汁多く甘味は13.5%、酸味はPH5.4と食味にすぐれている。裂果は無く、みつ症も見られない。
 樹勢:樹勢は強く、樹姿は直立性。花芽の着生は多く短果枝の維持は容易で、やや自家和合性を有する。黒星病、黒斑病に圃場抵抗性あり。(調査済み)
 収穫期:育成地において、8月下旬から9月上旬である。
ようこう
陽香  (あきづき×黄花梨)
 果実:果実は円形で、果皮は赤褐色である。果実の大きさは550gくらい。最大で1sになる大玉である。果汁は多く、甘味は13.4%、酸味はPH5.1で食味にすぐれている。裂果は無く、みつ症は見られない。
 樹勢:樹勢は強く、樹姿は直立性。花芽の着生は多く短果枝の維持は容易である。自家和合性はない。黒星病は幸水より強く、黒斑病に強い。(調査済み)
 収穫期:育成地において、9月中旬ころからである。」
あき
秋ゴールド (あきづき×黄花梨) 
   果実:果実は円形で青梨である。果実の大きさは450gくらい。果汁多く甘味は13.5%と高く、酸味はPH5.2と食味にすぐれている。完熟すると黄色に変わる。落果は見られない。
 樹勢:樹勢は強く、樹姿は直立性。花芽の着生は多く短果枝の維持は容易で、やや自家和合性を有する。黒星病、黒斑病に強い(調査済み)
収穫期:育成地において、9月中旬からである。
あき
秋のほほえみ (あきづき×黄花梨) 
   果実:果実は円形で果皮は赤褐色である。果実の大きさは500gくらい。果汁多く、甘味は13.7%と高く、酸味はPH5.2と食味にすぐれている。裂果は無くすぐれている。みつ症も見られない。
 樹勢:樹勢は強く、樹姿は直立性。花芽の着生は多く、短果枝の維持は容易で、やや自家和合性を有する。黒星病、黒斑病に強い。(調査済み)
 収穫期:育成地において、9月上旬である。
 現在、新品種として登録準備中の梨。(当圃場研究中) 
授粉採取専用木
 開花3月下旬 
 
早生なしの育成成果   平成29年6月16日追記

早生で7月下旬から8月上旬に収穫できる品種ができた。

34品種の中で9品種を選抜する。

 早生品種同士を交雑したもので糖度、食味、食感の良いものを選抜、その種の中で黒星病に抵抗性があるものができた。 またその中の1種に自家受粉(あきづき程度調査中)ができた。
この種は、「あけみず」と「里水」の交雑種で、昨年の収穫は8月4日。糖度は13.4度と高く、食味もよい。
まだ播種から7年目、開花は本年4月14日、満開は4月17日、幸水とほぼ同時期。 満開から葉の転用が幸水より10日程度早い。 果実は円形やや扁平で形状はよい。
 早生種同士を交雑したが、日本種同士を交雑したものは黒星病に弱い(幸水程度)。 隣に黒星病に感染していても里水を交雑していると発病はない。 2015年交雑種の中で黒星病が多く発生したときに、果実まで発症したが、「里水」を交雑したものは葉、果実ともに発病は見られなかった。 これは「里水」の父方「黄花梨」に黒星病に抵抗性があるので、発症が無かったと思われる。 
 このことから黒星病に抵抗性がある種と交雑することで、黒星病の発生を防ぐことができる。
梨栽培にとって黒星病が一番の悩みだが、私は今予防薬のみで対処している。 本年は千葉県で黒星病がかなり発生しているが、私の試験圃場では、発病する種としない種がはっきり分かれている。
 このように、黒星病に抵抗力がある種を栽培すれば減農薬、低コストにつながると思われる。 早生種9種のうち、黒星病に抵抗性がある種は5種で、その中でよいものを選抜することにする。
  右写真は昨年のものだが、本年は選抜することにする。また、
この種は花芽の維持が容易で、特に短果枝の継続維持が容易で
ある。 この写真にはないがAラインの20番以降が、黒星病
に抵抗性がある種で、その中から選抜することにする。

Cラインで幸水の収穫時期と同時期の種ができた。 この種は大果で円形、腰高糖度13.8度。果肉、食感ともによい。
果軸がかなり太い(大果の新高、かおり)まだ交雑から6年目、収穫時期は昨年の8月15日からで果形も優れている。 この種は「夏しづく」を黒星病に抵抗性がある種を交雑したもので、黒星病の感染は見られない。 また、落果も見られない。
     
上の写真は、昨年8月22日に撮影したもので、果重は約800gとかなりの大果である。
樹勢もよく、花芽特に短花枝の維持は容易で、開花は本年4月10日、満開は13日豊水並みで満開から葉の転用が幸水より2週間ほど早い。
本年はジベルリン(成長ホルモン剤)をし、果肉障害が出るか優良品種に行う。 結果はまた報告する。






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